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【Xリクエスト記事】高血圧と体重増が招く睡眠時無呼吸症候群

[2025.09.01]

今回はききょう会のXフォロワー様が決めるブログ発信第一弾です!
先日Xのアンケートで健康で気になることをお伺いしたところ「血圧や体重が気になる」が最もリクエスト多かったということで、今回は血圧や体重についての記事をご用意しました。
また、巣鴨ホームクリニックでは睡眠時無呼吸症候群オンライン外来をオープンしますので、睡眠時無呼吸症候群についても絡めて解説していきたいと思います。

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「健康診断で高血圧と肥満を指摘され、減量を指導されたけど、どうもやる気が出ない…」

ききょう会では、多くの高血圧や肥満の患者さんの治療に携わる中で、その裏に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が隠れているケースを数多く見てきました。
SASは単にうるさい「いびき」の問題だけではありません。放置することで、高血圧を悪化させ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクを飛躍的に高めてしまう非常に危険な病気です。

この記事では、長年高血圧に悩む方や、そのご家族に向けて、
• なぜ睡眠時無呼吸症候群が高血圧を引き起こすのか
• 肥満、高血圧、SASの恐ろしい悪循環とは
• 自宅でできる簡単なセルフチェック
• 忙しい方でも大丈夫。仕事を休まずに始められる最新の「オンライン診療」

について、専門家の視点から徹底的に、そして分かりやすく解説します。

危険な三角関係:肥満・高血圧・睡眠時無呼吸症候群

「肥満」「高血圧」「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、それぞれが独立した病気でありながら、実は互いに深く関連し合い、負のスパイラルを生み出す「危険な三角関係」にあります。

【入口】肥満が「睡眠時無呼吸」を引き起こす

まず、この悪循環の入口となるのが「肥満」です。 体重が増加し、特に首周りや舌、喉の周辺に脂肪が蓄積すると、空気の通り道である「上気道」が物理的に狭くなります。
睡眠中は全身の筋肉が緩むため、この狭くなった上気道はさらに塞がりやすくなります。そして、息を吸おうとした時に上気道が完全に塞がってしまうと、数十秒間呼吸が止まる「無呼吸」状態が発生するのです。
これが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最も一般的なタイプである「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」のメカニズムです。

 

【悪化】睡眠時無呼吸が「高血圧」を招き悪化させる

ここからが、命に関わる問題の始まりです。 睡眠中に「無呼吸」を繰り返すと、私たちの身体の中では一体何が起こるのでしょうか。
① 体が極度の「酸欠状態」に陥る 呼吸が止まるため、血液中の酸素濃度が低下します。これは、例えるなら毎晩、睡眠中に何度も首を絞められているのと同じような状態です。

② 脳が危険を察知し、交感神経を無理やり興奮させる 深刻な酸欠状態に陥ると、脳は生命の危機を察知し、緊急事態宣言を発令します。心臓の働きを強め、血管を収縮させて血圧を急上昇させる「交感神経」を強制的に叩き起こし、なんとか呼吸を再開させようとするのです。

この「無呼吸 → 酸欠 → 交感神経の興奮 → 血圧の急上昇」というサイクルが、重症な方では一晩に何十回、何百回と繰り返されます。
その結果、どうなるでしょうか。 本来、心身をリラックスさせ、血圧が安定するはずの睡眠中も、交感神経が興奮しっぱなしになり、血圧が高いままになってしまいます。さらに、この興奮状態は日中にも持ち越され、慢性的な高血圧へと繋がっていくのです。
この関係性は、数多くの研究によって科学的にも証明されています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人は、そうでない人と比較して、高血圧を発症するリスクが約2倍になることが報告されています。
また、複数の降圧薬を飲んでも血圧が目標値まで下がらない「治療抵抗性高血圧」の患者さんを調査したところ、そのうちの約80%がSASを合併していたという衝撃的なデータもあります。
つまり、「あなたのその高血圧、原因はSASかもしれません」という言葉は、決して大げさではないのです。

【破綻】高血圧とSASが、さらなる肥満と生活習慣病を招く

悪循環はこれだけでは終わりません。
• SASによる睡眠の質の低下 → 日中の強い眠気・倦怠感 → 活動量の低下 → 消費カロリーの減少 → さらなる肥満
• SASによるホルモンバランスの乱れ → 食欲増進ホルモンの増加 → さらなる肥満
• 高血圧とSASによる血管へのダメージ → 糖尿病、脂質異常症の発症・悪化
このように、3つの要素が互いに悪影響を及ぼし合い、気づいた時には心筋梗塞、脳卒中、突然死といった、取り返しのつかない事態を引き起こすリスクが雪だるま式に膨れ上がっていきます。

あなたは大丈夫?今すぐできるSASセルフチェック

「もしかして自分も…?」と感じた方は、以下の項目をチェックしてみてください。ご家族に協力してもらうのも良いでしょう。


【睡眠中の症状】

□ 大きな「いびき」をかくと言われる  □ いびきが途中で止まり、大きな呼吸とともに再開することがある  □ 睡眠中に息苦しさを感じて目が覚めることがある  □ 寝汗をびっしょりかく  □ 何度もトイレに起きる
【起床時の症状】

□ 口や喉がカラカラに乾いている  □ 起きた時に頭痛がする  □ ぐっすり眠れた感じがしない(熟睡感がない)

【日中の症状】

□ 日中に強い眠気を感じる(特に会議中、運転中など)  □ 集中力が続かず、仕事でミスが増えた  □ 理由もなく体がだるい、疲れやすい

【身体的な特徴・習慣】

□ 肥満気味である(BMI25以上)  □ 首が短い、または首回りが太い □ 顎が小さい、または下顎が後退している  □ 高血圧、糖尿病、脂質異常症のいずれかと診断されている

簡易診断結果:
• 3つ以上当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
• 5つ以上当てはまる方は、中等症~重症の可能性があり、早期の検査・治療が強く推奨されます。

帝人WEBサイトより引用

検査は意外と簡単!自宅でできるSASの「オンライン診療」

「検査が必要なのは分かったけど、病院に行く時間がない…」 「いびきのことで受診するのは、なんだか恥ずかしい…」
そう思われる方もご安心ください。 テクノロジーの進化により、現在ではご自宅にいながら、仕事を休むことなく睡眠時無呼吸症候群の検査から治療までを開始できる「オンライン診療」という選択肢があります。
巣鴨ホームクリニックでもこのようなご要望からオンライン診療での睡眠時無呼吸症候群や内科の外来をはじめました。

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STEP 1:オンラインで診療予約 当クリニックのウェブサイトから、24時間いつでもご自身の都合の良い時間に予約できます。


STEP 2:オンラインでの問診 予約した日時になったら、スマートフォンやパソコンのビデオ通話機能を使って医師の診察を受けます。ご自宅などリラックスできる環境で、現在の症状やお悩みについて詳しくお聞かせください。


STEP 3:検査キットをご自宅へ郵送 診察の結果、検査が必要と判断された場合、簡易検査キットをご自宅へ郵送します。


STEP 4:ご自身で検査を実施 検査はとても簡単です。寝る前に、説明書を見ながら指や鼻にセンサーを取り付けるだけ。あとはいつも通り眠れば、睡眠中の呼吸状態や血中酸素濃度などが自動で記録されます。


STEP 5:検査キットを返送 翌朝、装置を外して、同封の返送用封筒に入れてポストに投函するだけです。


STEP 6:オンラインで結果説明・治療方針の決定 検査データの解析後、再度オンラインで診察を行い、医師が結果を分かりやすくご説明します。治療が必要な場合は、あなたに最適な治療法(CPAP療法など)を一緒に決めていきます。

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SASの標準治療「CPAP療法」とその効果

検査の結果、中等症〜重症のSASと診断された場合、最も効果的で標準的な治療法が「CPAP(シーパップ)療法」です。
これは、鼻に装着したマスクから一定の圧力で空気を送り込み、睡眠中に気道が塞がってしまうのを物理的に防ぐ治療法です。


【CPAP療法の主な効果】
• 睡眠中の無呼吸・低呼吸がなくなる:治療を始めたその日から、いびきが止まり、質の高い睡眠を取り戻せます。


• 血圧の低下: 継続的な治療により、収縮期血圧(上の血圧)が平均で2~5mmHg低下することが多くの研究で証明されています。これにより、降圧薬を減らせるケースも少なくありません。


• 日中の眠気や倦怠感の改善: ぐっすり眠れるようになるため、日中のパフォーマンスが劇的に向上します。


• 心血管疾患リスクの低下: 睡眠中の身体への負担がなくなることで、将来の心筋梗索や脳卒中のリスクを有意に下げることが分かっています。
CPAP療法は健康保険が適用されるため、経済的な負担も少なく治療を始めることができます。

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