在宅での痛みを和らげる。PCAポンプの勉強会を開催しました
先日、在宅緩和ケアにおける重要な医療機器である携帯型輸液ポンプ「CADDソリス」および「クーデックエイミー」に関する勉強会を開催いたしました。
今回は、地域の連携パートナーである「つなぐ薬局足立」の代表取締役であり、麻薬教育認定薬剤師でもある山口峻平先生を講師にお招きし、医師・看護師をはじめとする多職種で研鑽を深めました。
勉強会の様子と、なぜ私たちがこうした高度な医療機器の習熟に力を入れているのか、その想いをお伝えしたいと思います。
在宅緩和ケアにおける医療用麻薬ポンプの必要性
皆さんは「医療用麻薬」や「ポンプ」と聞いて、「最期に使うもの」「意識がぼんやりしそう」と不安を感じていませんか?
実は、それは大きな誤解です。痛みは我慢するものではなく、早いうちから適切に抑えることで、食事や睡眠がとれるようになり、自分らしい生活を守ることができます。
そのための心強いツールが、今回私たちが学んだ「CADDソリス」や「クーデックエイミー」という持ち運び可能な精密ポンプです。
在宅緩和ケアを支える2つの精密ポンプ
今回ご紹介する2種類のポンプは、単にお薬を流し続けるだけの機械ではありません。
最大の特徴は、「PCA(ピーシーエー)」という機能、いわば『患者さん専用の、痛み止め追加ボタン』がついていることです。
「急に痛くなったらどうしよう」という不安に対し、ご自身の手元ですぐに対処できるため、自宅療養を支える心強い「お守り」のような役割を果たします。
より質の高い鎮痛を目指す「CADDソリス」
「CADDソリス」は、スマホのようなカラー画面で操作しやすく、一人ひとりに合わせた細かな設定ができる最新ポンプです。
最大の特徴は、「お薬の入れ方にメリハリをつけられる」点にあります。これまでの「少しずつ流し続ける」方法よりも、定期的に「まとめてシュッと送り込む」ほうが、お薬が体全体に広がりやすくなります。
その結果、「お薬の量は少なく済むのに、痛み止めの効果はしっかり出る」という、体にやさしい使い方が可能です。「副作用は抑えたい、でも痛みはしっかり取りたい」という願いに応える心強い味方です。
安全と安心のスタンダード「クーデックエイミー」
「クーデックエイミー」は、コンパクトながら頼れるポンプです。患者様ご自身が操作する「PCAボタン」がついており、急な痛みがあったときにこのボタンを押すと、あらかじめ医師が設定した安全な量の痛み止めを追加できます。
在宅での使用を想定して安全機能も充実しています。
- 閉塞アラーム:チューブが体の下敷きになったりして薬が流れなくなったときにお知らせします。
- 気泡アラーム:薬の通り道に空気が入ってしまったときに検知して停止します。
これらの機能により、医療者がそばにいない夜間でも、機械がしっかり見守ってくれる安心感があります。
医療用麻薬(オピオイド)に関する3つの誤解
痛みの治療に「医療用麻薬」を使う際、多くの方が抱く不安がありますが、実はそのほとんどが誤解です。
| 「寿命が縮むのでは?」 | 縮まりません。むしろ痛みが和らぐことで、体力が温存され、穏やかに過ごせる時間が増えることにつながります。 |
|---|---|
| 「やめられなくなるのでは?」 | なりません。医師の指示通りに「痛みを取る目的」で使う場合、いわゆる「中毒」になる心配はありません。 |
| 「もう最期だから使うの?」 |
違います。「痛みが強くなったら使う」のが今のスタンダードです。早い段階から使うことで、これまで通りの生活を長く続けるために役立てます。 |
ききょう会だからできる安心の痛みケア
実は、こうした高度なポンプを日常的に使いこなせるクリニックは、決して多くはありません。私たちがこの「ボタン付き」にこだわるのは、患者さんの不安をゼロにしたいからです。
| 「自分で痛みを抑えられる」安心感 | 夜中に痛くなったら?」「看護師が来るまで我慢?」という不安を解消します。自分でボタンを押してすぐに対処できることが、自宅療養を続ける大きな自信になります。 |
|---|---|
| チームで守る「安全性」 |
医師・看護師・薬剤師が連携し、以下の技術を磨いています。
|
ききょう会では、この高度なケアを「特別なこと」ではなく「当たり前の選択肢」として提供できるよう、日々トレーニングを重ねています。
痛みを取り除くことは「生活」を守ること
痛みを抑えることは、大切な「生活支援」です。
痛みが和らげば、お孫さんと笑い合い、大好きな料理を味わい、自宅でぐっすり眠ることができます。私たちが守りたいのは、病気を診るだけでなく、その先の「穏やかな時間」です。
患者さんに寄り添う「心」と、確実な痛み止めを実現する「技術」。ききょう会では、この両輪を備えた専門スタッフが24時間365日体制でサポートいたします。どうぞ安心してお任せください。
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20代〜50代など若い人のための在宅ホスピスケアと制度の解説
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医療法人ききょう会は東京都から埼玉県まで広く在宅医療(訪問診療)の提供を行っており、特に在宅ホスピスケア・緩和ケアに力を入れています。
豊島区、北区、文京区、板橋区
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