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ANAのおもてなしから学ぶ:在宅医療現場での総合力向上

[2025.01.23]

在宅緩和ケアや在宅ホスピスケアを重視する私たちのクリニックでは、医療技術はもちろんですが、患者さんやそのご家族との信頼関係構築にかかるコミュニケーションに関する技術も極めて重要です。
そのため、医療技術に関する研修の他にもコミュニケーションや接遇等に関する技術の向上のための研修をお行っています。

この度、世界的に高い評価を受けているANAの接遇研修を導入し、医療サービスの質を新たな次元に引き上げる取り組みを行いますのでブログにて簡単にご紹介いたします。

医療業はサービス業でもある

医療機関や航空会社は同じサービス業となりますが、とくに、安全第一であるということ、多職種によるチームワークが必要になること、不安な気持ちを取り除くこと、相手を大切に思う気持ちを適切に表すことなどは共通して重要な点と言えます。

(ANA WEBサイトより抜粋)


ANAは、英国SKYTRAX社のエアラインスターランキングで2013年から連続で最高評価の5つ星を獲得しています。この成果の裏にはANAの「おもてなしの心」つまり、形式的なサービスではなく「お客様の立場に立って考え、サービスを提供するという姿勢」があるとされています。

ANAの高いサービス品質の背景には、ANAの客室乗務員が実践する「短時間で信頼関係を築く」メソッドがあり、このメソッドはサービス工学の研究で、論文にもなった科学的に体系化されたものであるといところも着目すべきところです。

今回の研修ではこの体系化された手法を医療現場にも応用する形での研修となります。

https://www.anahd.co.jp/group/pr/pdf/20180311.pdf
(ANA WEBサイトより抜粋)

 

研修内容について

ANAの研修プログラムの中心にあるのは「対応力を高める4ステップ」です。これは観察、想像、行動、確認という4つの要素から構成されています。
この4ステップは、医療現場でも同様に重要なことであり、患者さんやご家族との信頼関係構築に大きく貢献するものと考えています。
特に在宅緩和ケア、ホスピスケアの対象となる患者さんやご家族にとっては一生に一度経験するかどうかという出来事となるため、大きな不安を伴います。この不安な気持ちを少しでも取り除けるように、患者さんやご家族の心理を学び、適切な行動をとっていくのは医療従事者として重要なことです。

そして、本研修では、この4ステップを実践すべく、次のようなことを行います。
相手を大切に思う気持ちを適切に表す医療現場でのマナー(表情、アイコンタクト、身だしなみ、挨拶、姿勢、立ち居振る舞い、会話力、物の渡し方など)、医療現場に特有の電話応対のマナー、さらにこれらを総合した演習として、実際の医療現場を想定したロールプレイを行うことで実践のイメージをつけます。

特に注目すべきは「医療現場でのマナー」セクションでしょうか。在宅緩和ケア、ホスピスケアに関わることが多い当法人では、患者さんやご家族の心理を配慮した立ち居振る舞い、適切な言葉遣いが求められ、日々の医療現場と結び付けて深く学ぶことができるでしょう。

法人ビジョンとのベクトル合わせ

この研修は単なるスキルアップにとどまりません。当法人が大事にしている「在宅ホスピスケア」の精神にも繋がります。
患者さん中心の思いやりのある在宅医療を実現するための具体的な行動指針となり、スタッフ一人一人がこのビジョンを体現することで、組織全体のベクトルを合わせることができます。

研修後は当ブログを更新し、実際の研修の様子や参加者の声、そして早速実践で活かされるような事例などをお伝えできればと思っています。どうぞご期待ください。

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